大学広報において、「高校生にどうやって魅力を伝えるか」は最も重要なテーマの一つです。
しかし近年、その難易度は確実に上がっています。
理由はシンプルで、情報の取り方が大きく変わっているからです。
現在の高校生、いわゆるZ世代は、これまでの受験生とはまったく異なる行動パターンで大学を選びます。
パンフレットや学校説明だけではなく、SNSや動画、口コミなどを横断しながら情報を集め、「なんとなく良さそう」という感覚も重視して志望校を決めています。
そのため従来の広報だけでは、受験生に届かないケースも増えています。
本記事では、Z世代の情報収集行動を整理しながら、高校生に響く大学広報の考え方と具体的なポイントを解説します。
Z世代の情報収集は「検索+SNS」が基本
現在の高校生の情報収集は、大きく2つに分かれます。
- 検索(Googleなど)
- SNS(Instagram・YouTube・TikTokなど)
この2つを組み合わせながら大学を調べているのが特徴です。
たとえば、
①「心理学部 大学」などで検索
↓
②気になる大学を見つける
↓
③SNSで雰囲気や口コミを確認
↓
④オープンキャンパスに参加
↓
⑤志望校を決定
という流れです。
つまり、大学広報は
- 検索で見つけてもらう
- SNSで興味を持ってもらう
この両方を設計する必要があります。
Z世代は「リアルさ」を重視する
Z世代の特徴として非常に大きいのが、リアルな情報への強い関心です。
従来のような
- きれいに整えられたパンフレット
- 公式感の強い文章
だけでは、十分に響かないこともあります。
高校生が見ているのは、
- 在学生のリアルな声
- 実際のキャンパスの様子
- 授業や日常の雰囲気
- 失敗談や本音
といった、**「ありのままの情報」**です。
たとえば
「この大学は雰囲気が良さそう」
「自分と合いそう」
と感じるかどうかは、スペック情報ではなく“空気感”で判断されることも多いです。
高校生に響く大学広報のポイント
では具体的に、どのような広報が高校生に響くのでしょうか。
重要なポイントを整理します。
学びを「将来」に結びつけて伝える
高校生は「何を学べるか」だけでなく、それが将来にどうつながるかを重視しています。
たとえば
- この学部でどんな仕事につながるのか
- 社会でどう活かせるのか
- 卒業後の進路はどうなるのか
といった点です。
単なるカリキュラム説明ではなく、
「この学びを通してどんな未来が開けるのか」
まで伝えることが重要です。
在学生のリアルな声を活用する
Z世代に最も刺さるコンテンツの一つが、在学生の声です。
たとえば
- なぜこの大学を選んだのか
- 実際に通ってみてどう感じているか
- 入学前と後のギャップ
- 一日の過ごし方
こうした情報は、受験生にとって非常に価値があります。
公式の説明よりも、**「自分に近い存在のリアルな体験」**の方が信頼されやすい傾向があります。
「雰囲気」が伝わるコンテンツを作る
高校生は大学を「スペック」だけでなく「感覚」で選びます。
そのため重要なのが、雰囲気を伝えるコンテンツです。
- 写真
- 動画
- SNS投稿
- 学生の日常
などを通して
「この大学で過ごす自分が想像できるか」
が判断されます。
短く・分かりやすく伝える
Z世代は情報処理スピードが非常に速い一方で、長文をじっくり読むことは少ない傾向があります。
そのため
- 要点がすぐ分かる
- 直感的に理解できる
- 視覚的に伝わる
コンテンツ設計が重要です。
SNSと大学サイトを連動させる
SNSだけ、サイトだけでは不十分です。
理想的な導線は
SNS → 興味喚起
↓
大学サイト → 詳細理解
↓
オープンキャンパス → 意思決定
という流れです。
この導線が設計されている大学は、志望度が高まりやすい傾向があります。
高校生は「比較しながら」大学を選んでいる
高校生は1つの大学だけを見るわけではありません。
複数の大学を同時に比較しながら検討しています。
そのため
- 他大学と何が違うのか
- この大学ならではの強みは何か
が明確でないと、印象に残りません。
成功している大学広報は、差別化ポイントがはっきりしています。
大学広報に求められる考え方の変化
これまでの大学広報は
「大学が伝えたいことを発信する」
というスタイルが中心でした。
しかし現在は
「高校生が知りたいことを起点に設計する」
ことが重要になっています。
たとえば
- 何を学べるか
- 将来どうなるか
- 雰囲気はどうか
- 自分に合うか
こうした視点から情報を整理し、発信する必要があります。
まとめ
高校生に響く大学広報を実現するためには、Z世代の情報収集行動を理解することが不可欠です。
現在の高校生は
- 検索とSNSを組み合わせて情報収集する
- リアルな情報を重視する
- 雰囲気や感覚も重視する
といった特徴を持っています。
そのため大学広報では
- 学びと将来をつなげて伝える
- 在学生のリアルな声を活用する
- 雰囲気が伝わるコンテンツを作る
- SNSとサイトを連動させる
といった施策が重要になります。
大学広報は単なる情報発信ではなく、受験生の意思決定を支えるコミュニケーション設計です。
Z世代の特性を理解し、それに合わせた発信を行うことが、これからの大学広報には求められています。
