【編集部について】 志望動機.comは、大学入試広報・進路指導に特化したWebメディアである。総合型選抜の経験者ライターや入試広報コンサルタントを含む編集部が、実際の支援・取材・受験体験をもとに記事を制作している。これまで数多くの大学広報支援および受験生サポートを通じて得たノウハウを発信している。
【担当選出メモ】 カテゴリ「Z世代・学生行動分析」「大学選び・留学」に該当。みおさん(現役大学生・Z世代の留学関心層)を優先担当、けんさん(データ・プログラム構造の整理)を補佐、はるかさん(大学広報・入試連携視点)を補完として配置する。
はじめに|「韓国留学できる大学」は多い。問題は「何で選ぶか」だ
韓国留学への関心は、2010年代以降のK-POPブームとともに急速に高まり、現在も日本人留学生数は安定して推移しているとされている。日本学生支援機構「協定等に基づく日本人学生留学状況調査」によれば、韓国は日本人留学生の渡航先として上位に位置する国の一つだ。
大学を選ぶとき「韓国留学できるか」を基準にする受験生は多い。しかし「韓国の提携校がある」という大学は国内に数多く存在しており、その一点だけでは選び切れない。本当に差が出るのは、プログラムの深さ・費用負担の設計・語学サポートの質・学位取得との両立という4つの要素だ。
本記事では、韓国留学のサポート体制に特徴がある大学14校を、プログラムの性格別に整理して紹介する。「行きたい気持ちはあるが、どの大学を選べばいいかわからない」という受験生が、自分の目的に合った選択肢を見つけられるように構成した。
まず整理|韓国留学プログラムを選ぶ「4つの軸」
14校を見る前に、自分の選択軸を整理する。この4軸で比べると「韓国に留学できる」という条件が同じでも、大学ごとの違いが明確になる。
| 軸 | 見るポイント | 向いている人 |
|---|---|---|
| ① 期間・深度 | 短期研修(1〜4週間)か交換留学(半年〜1年)かダブルディグリー(2年)か | どこまで本格的に関わりたいか |
| ② 費用負担 | 授業料免除の有無・奨学金・全額支援制度 | 経済的なサポートを重視する人 |
| ③ 語学の出発点 | 韓国語ゼロからでも参加できるか・語学専攻か他学部も参加できるか | 韓国語の初学者か経験者か |
| ④ 学位・卒業との両立 | 単位互換制度・4年での卒業が可能か・ダブルディグリー制度の有無 | 留学しながら卒業要件を満たしたい人 |
みおさんのコメント
「韓国に行けるなら大学どこでもいい」と思っていた先輩が、入学後に自分の学部ではプログラムに参加できないと知って後悔していました、学部ごとの参加条件の確認は必須です!
カテゴリ①|韓国語専攻・語学特化型──本格的に語学力を鍛えたい人向け
神田外語大学(千葉県・アジア言語学科 韓国語専攻)
外国語学部アジア言語学科の韓国語専攻は、韓国語の運用能力を軸に、韓国文化・社会への深い理解と日韓交流を担う人材育成を明確に打ち出している。2年次以降は交換留学・認定留学のどちらも選択できる。
特筆すべきは慶熙大学校(ソウル)とのダブルディグリー制度で、3年次から2年間の留学を経て神田外語大学と慶熙大学校の両方の学位を取得できる。韓国語力と韓国の学術資格を同時に得たい学生にとって、国内でも稀有な制度だ。
主な協定校:韓国外国語大学校・慶熙大学校・漢陽大学校・ソウル市立大学校・釜山大学校・崇実大学校など
目白大学(東京都・外国語学部 韓国語学科)
外国語学部に韓国語学科が独立設置されており、2年次に全員が1年間の韓国留学に参加できるという制度設計が他校にはない特徴だ。習熟度別の少人数クラスで、ネイティブ教員による週7コマの基礎科目を通じて会話・文法・聴解・作文の4技能を体系的に習得する。
希望者は高麗大学校・延世大学校などの提携校と目白大学のデュアルディグリー(2学位取得)制度も利用できる。「韓国語を本気でやりたい」という受験生が大学選びの軸として検討しやすい学科だ。
主な協定校:延世大学校・高麗大学校・慶熙大学校・東国大学校・ソウル女子大学校など
みおさんのコメント
韓国語専攻がある大学は、留学前の語学準備が学部の授業と直結しているので「韓国に行ったのにうまく話せなかった」という失敗が起きにくいと先輩から聞きました!
カテゴリ②|全学対象・幅広い留学支援型──文系理系問わず韓国に行きたい人向け
創価大学(東京都・八王子市)
世界69カ国・地域263大学との提携を持ち、韓国は成均館大学・慶熙大学・韓国外国語大学・中央大学(ソウル)など有力校との協定が充実している。交換留学では授業料免除・単位互換が整備されており、4年での卒業と両立しやすい制度設計だ。
キャンパス内の留学経験者支援団体や相談窓口を通じた事前準備体制も充実しているとされており、初めて海外に出る学生でも段階的にサポートを受けられる環境にある。
東北学院大学(宮城県・仙台市)
9学部15学科を有する東北の総合大学で、韓国への協定校数が14校と多い。梨花女子大学校・韓国外国語大学校・慶北大学校・全南大学校など地域と規模の異なる大学を網羅しており、自分の関心に合った留学先を選べる幅がある。
交換留学中も在学期間にカウントされ、授業料を本学に納付することで留学先の授業料が免除されるという費用設計は、経済的な負担を意識する受験生に向いている。
甲南大学(兵庫県・神戸市)
関西の総合大学として短期から長期まで多層的な留学プログラムを展開している。短期では漢陽大学(ソウル)・東義大学(釜山)で語学研修と文化体験を組み合わせ、中・長期では慶熙大学・漢陽大学での専門科目履修と単位互換を提供している。
返済不要の奨学金制度と、費用面を含めたきめ細かな留学サポートが整っており、②費用負担の軸を重視する受験生にとって検討しやすい大学だ。
はるかさんのコメント
大学広報の支援現場では、「韓国留学ができる」という情報をホームページに大きく載せている大学と実際の参加率には差があることがあります、オープンキャンパスで実際の参加者数を聞くのが確実です!
愛知淑徳大学(愛知県・長久手市)
「違いを共に生きる」という理念のもと、中央大学校(ソウル)・梨花女子大学校・淑明女子大学校・崇実大学校など首都圏の有力私立大学を中心に8校との協定を持つ。交換留学では授業料免除・単位認定が整備されており、4年での卒業と両立できる設計だ。
夏・春の短期研修から始め、段階的に長期留学へと移行できるプログラム構成は、留学に初めて踏み出す学生が段階的にチャレンジしやすい。
大阪学院大学(大阪府・吹田市)
世界27の国と地域63校という協定校の規模を持ち、韓国については順天郷大学・淑明女子大学・檀国大学・仁荷大学など8校との連携がある。交換留学での授業料免除と奨励金制度の組み合わせは、②費用負担の軸で評価できる点だ。
キャンパス内に「I-Chat Lounge」と呼ばれる留学生との交流スペースを設けており、留学前から日常的に国際感覚を養える環境設計になっている。
けんさんのコメント
ウェブ解析士として大学のサイト構造を見ると、留学実績・参加率・費用の内訳まで明示している大学ほど情報の透明性が高く、選ぶ際の信頼性の判断基準になります!
カテゴリ③|女子大・少人数特化型──手厚いサポートと安全な環境を重視する人向け
広島女学院大学(広島県・広島市)
1886年創立という歴史を持つ女子大学で、仁川大学・淑明女子大学校の2校に交換留学の機会がある。少人数教育という学風が留学サポートにも反映されており、一人ひとりへの対応が手厚いとされている。単位互換制度が整備されており、4年での卒業が維持できる点も特徴だ。
桜花学園大学(愛知県・日進市)
保育・教育・国際的な学びを柱とする大学で、1年次に全員が参加する海外語学実習という設計が特徴的だ。韓国では又松大学校・梨花女子大学 言語教育院・清州大学などとの協定があり、語学研修と文化交流を組み合わせたプログラムが展開されている。教育系への就職を視野に入れながら国際経験を積みたい学生に向いている。
カテゴリ④|理工・専門系大学からの韓国留学──文系以外の学生にも窓口がある
大阪電気通信大学(大阪府・寝屋川市)
AI・IoT・デジタル技術を専門とする理工系大学だが、慶熙大学校・湖西大学校との短期語学研修を夏季・春季休暇に設けている。理工系学生が韓国語と異文化経験を並行して積める数少ない国内大学の一つだ。「技術を学びながら韓国語も身につけたい」という③語学の出発点が初学者でも入りやすいプログラム設計になっている。
カテゴリ⑤|地方拠点型──九州・北海道・東北から韓国を目指す人向け
九州国際大学(福岡県・北九州市)
東亜大学校・漢陽大学校・高麗大学校・釜山外国語大学校など釜山・ソウルの有力校と交換留学協定を持つ。地理的に韓国に近い九州という立地は、留学後も韓国との往来がしやすく、日韓ビジネスや観光分野のキャリアを視野に入れている学生に向いている。
鹿児島国際大学(鹿児島県・鹿児島市)
地域社会と国際視野の両立を掲げており、慶熙大学・培材大学への韓国語海外研修と交換留学を展開している。地方国立・私立大学が少なくない鹿児島エリアで、韓国留学を明確に打ち出している大学として独自のポジションを持っている。
城西国際大学(千葉県・東金市)
韓国外国語大学校・東西大学校・建陽大学校・仁川大学校との協定で、TOPIK(韓国語能力試験)対策講座に定評があるプログラムも含まれているとされている。仁川大学校のバディ制度のように、現地学生のサポートで生活面の不安を軽減できる仕組みがある点は、初めての留学を検討する受験生に向いている。
札幌国際大学(北海道・札幌市)
済州国際大学・大邱大学校・明知大学校(ソウル/龍仁)など韓国内の複数拠点に協定を持ち、短期留学からダブルディグリープログラムまで多層的な制度が整っている。北海道在住で韓国留学を目指す受験生にとって、地元から通える大学としての選択肢として挙がりやすい。
みおさんのコメント
地方の大学は「韓国に近い」「地域企業との日韓ビジネス連携が実際にある」という独自の強みがあって、留学後のキャリアパスが都市部とは少し違う方向で開けることもあると思います!
大学を最終的に絞る前に確認すべき4つの質問
14校を見た後で、志望校を絞る際に直接確認すべき点を整理する。
① 自分の学部・学科はプログラムに参加できるか → 留学制度は全学対象とは限らない。学部・学科ごとの参加条件を必ず確認する。
② 留学中に取得した単位は卒業単位として認定されるか → 認定される場合でも「何単位まで」という上限がある場合があるため、具体的な数字を聞く。
③ 留学にかかる実費(渡航費・生活費・保険料)の目安はいくらか → 授業料免除でも生活費・渡航費は自己負担になるケースが多い。奨学金の有無と金額も確認する。
④ 直近の留学参加者数・留学率はどのくらいか → 「制度がある」と「実際に学生が使っている」は別問題だ。オープンキャンパスや在学生との個別相談で実態を確認する。
はるかさんのコメント
大学広報の支援をしてきた経験上、留学参加率を正直に開示している大学の方が入学後の満足度が高い傾向があります、数字を聞いても濁す場合は実態に注意してほしいです!
まとめ|自分の軸で選ぶための整理
本記事で紹介した14校は、韓国留学のプログラム設計の方向性がそれぞれ異なる。
韓国語を専門として本格的に学びたい受験生には、神田外語大学・目白大学のように韓国語学科が独立設置されている大学を起点に検討することを推奨する。
文系・理系問わず、在学中に韓国留学の経験を積みたい受験生には、創価大学・東北学院大学・甲南大学のように全学対象プログラムが整備されている大学が選びやすい。
費用面のサポートを重視する受験生には、授業料免除と奨学金制度の組み合わせが充実している大学を、オープンキャンパスで具体的な金額を確認した上で比較することを推奨する。
地元を離れず韓国留学の経験を積みたい受験生には、九州国際大学・鹿児島国際大学・札幌国際大学のように地方拠点から韓国へのルートが整っている大学が選択肢になる。
どの大学を選ぶにせよ、「韓国留学できる」という一点で決める前に、4つの確認質問をオープンキャンパスで直接聞いてみることが、入学後の後悔を防ぐ最も確実な手段だろう。
志望動機.com編集部|みお(現役大学生ライター)・はるか(編集長)・けん(副編集長)
