国文学科を志望する理由とは?合格する志望動機の作り方を徹底解説

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はじめに:「本が好きだから」は国文学科の志望理由として弱い

国文学科(日本文学科)の志望理由書でもっとも多いのが「本を読むのが好きだから」「国語が得意だから」「日本語が好きだから」という書き出しだ。決して悪い動機ではない。しかし、この水準では差別化にならない。なぜなら国文学科を志望する受験生の多くが同じような動機を持っているからだ。

国文学科の志望理由書で最初に答えなければならない問いは「なぜ趣味の読書ではなく、学問として日本文学を研究したいのか」だ。「好き」という感情だけでは、文学や言語を研究する学問への理解は伝わらない。

本記事では、国文学科の志望理由書で実際に差がつく5つのポイントを現場の知見をもとに解説する。


ポイント① 「国文学」という学問の核心を理解する

対象読者: 志望理由書を初めて書く高校生 / 難易度:★☆☆ / こんな課題を持つ人に:国文学科で何を学ぶかイメージできていない

国文学とは、日本語で書かれた文学作品や日本語そのものを研究する学問だとされている。古典から近現代まで、文学作品・言語・文化を多角的に分析するとされている。

重要なのは、国文学科が「本を味わう場」ではなく「作品や言葉を学問的に読み解く場」だという点だ。主な研究領域は以下のとおりだとされている。

領域 内容
古典文学 万葉集・源氏物語・和歌など古典作品の研究
近現代文学 明治以降の小説・詩・評論の研究
日本語学(国語学) 日本語の文法・音韻・歴史的変化の研究
漢文学 日本に影響を与えた漢文・漢詩の研究

国文学科を選ぶ説得力のある理由は「日本語や日本文学を、感覚ではなく学問として深く探究したい」という点だ。

比較 違いの核心
英文学・仏文学との違い 対象言語・文化圏が日本。日本特有の文学史・言語への関心が必要
文化学・歴史学との違い 文化・歴史全般ではなく「言葉と文学」を軸に研究する
日本語教育学との違い 日本語を「教える」のではなく「研究する」ことが中心

みおさん(編集部)のコメント
「国文学科志望の先輩が『なぜ趣味の読書ではなく研究なのか』を作品への問いから語れたことで、面接で学問理解の深さが伝わったと言っていました!」

はるかさん(編集長)のコメント
「実際に支援した大学の入試担当者から、文学系の志望理由書で最も多い失敗は『好き』で止まることで、作品や言葉を学問として語れる受験生が少数派だと聞いています!」


ポイント② 体験を「国文学への問い」に変換する

対象読者: 書き出しが他の受験生と同じになってしまう高校生 / 難易度:★☆☆ / こんな課題を持つ人に:好きな作品はあるが深掘りできていない

国文学科の志望理由書では「その作品や言葉との出会いがどんな問いを生んだか」が評価の鍵だ。

体験の型 国文学への問いへの変換例
古典作品との出会い 「なぜ千年前の作品が今も心を打つのか」→古典文学の普遍性
近現代小説への関心 「この作家はなぜこの表現を選んだのか」→近現代文学の表現研究
日本語の面白さへの気づき 「なぜ同じ意味でも言葉で印象が変わるのか」→日本語学
方言・言葉の変化への興味 「言葉はなぜ時代とともに変わるのか」→日本語史

「源氏物語が好き」で終わるのではなく、「源氏物語を読み、千年前の人間の感情が現代の自分にこれほど響くのはなぜかという問いを持ち、古典文学が時代を超えて伝える普遍性を研究したいと思った」という水準まで深掘りできると、志望理由として格段に説得力が増す。

変換の具体例

体験段階(NG) 問いへの変換(改善)
「太宰治が好き」 「太宰の一人称の語りがなぜ読者を惹きつけるのか——近現代文学の語りの技法を研究したい」
「百人一首が好き」 「限られた音数でなぜ豊かな情景が描けるのか——和歌の表現技法を分析したい」
「日本語が好き」 「敬語はなぜこれほど複雑に発達したのか——日本語の歴史的変化を研究したい」

みおさん(編集部)のコメント
「友人が古語と現代語の表現の違いから『言葉が変わると何が伝わらなくなるのか』という問いを書いたら、面接で深い議論になったと言っていました!」


ポイント③ 志望校の「教員・研究分野・ゼミ」を調べて結びつける

対象読者: どの大学にも使える志望理由になっている高校生 / 難易度:★★☆ / こんな課題を持つ人に:志望校への解像度が低い

国文学科(日本文学科)は多くの大学に設置されているが、研究の重点(古典・近現代・日本語学など)は大学・教員によって異なる。「日本文学を学びたい」だけではどの大学にも使える汎用文になってしまう。

確認ポイント 調べ方
専任教員の研究分野(時代・作家・テーマ) 大学公式サイト・researchmap
ゼミ・演習で扱う作品やテーマ 公式シラバス
古典・近現代・日本語学のどこに強いか 大学公式サイトの学科紹介
古典籍・資料の所蔵や設備 大学図書館・研究施設の紹介

「○○教授の近現代文学のゼミで、太宰治の語りの技法を研究したい」という形で、教員名・研究分野・自分の問いまで言及できると、審査担当者に「本気で調べている」という確信を与えるとされている。

けんさん(副編集長)のコメント
「researchmapで教員の専門時代や作家を確認すると、その大学が古典・近現代・日本語学のどれに強いかが見えてきます。自分の問いと一致する研究室を見つけると説得力が一段上がります!」


ポイント④ キャリアビジョンを「3点セット」で語る

対象読者: 将来像が漠然としている高校生 / 難易度:★★☆ / こんな課題を持つ人に:文学を学んだ先が見えない

「国語の先生になりたい」「出版に関わりたい」という言葉だけで止まると評価の根拠が見えない。「誰に・何を・どう届けるか」を3点セットで語ることが重要だ。

曖昧な回答(NG) 3点セットに変換(改善)
「国語教師になりたい」 「古典の面白さを伝え、生徒が言葉の奥深さに気づける授業ができる国語教師になりたい」
「出版に関わりたい」 「日本文学の魅力を現代の読者に届ける編集者として、古典と現代をつなぐ本を作りたい」
「日本語に関わる仕事がしたい」 「日本語の美しさや成り立ちを、学んだ知識をもとに分かりやすく発信する仕事に就きたい」

国文学科卒業後の進路(国語教員・出版・編集・図書館司書・日本語教師・研究者など)を把握したうえで、自分の問いとキャリアを接続できると、入学後の目標が明確な学生という印象を与えられるとされている。

はるかさん(編集長)のコメント
「文学系の面接で評価されるのは、学びとキャリアが一本の線でつながっている学生で、職種名だけでなく誰に何を届けたいかを語れる学生が印象に残ると複数の担当者から聞いています!」


ポイント⑤ NGパターンと高評価を受ける表現の違いを知る

対象読者: 一度書いたが手応えがなかった高校生 / 難易度:★☆☆ / こんな課題を持つ人に:何が問題かわからない

国文学科の志望理由書に繰り返し見られるNGパターンを整理する。

NGパターン 問題点 改善の方向性
「本が好きだから」のみ 全員が言える動機で差別化にならない 「日本文学の何を・なぜ研究したいか」を加える
好きな作家・作品の羅列 感想で止まり学問への接続がない 「その作品からどんな問いが生まれたか」を語る
「国語が得意だから」 得意と研究は別物 「日本語・文学のどこを探究したいか」に転換する
「将来は国語教師になりたい」のみ 職種名だけで中身が見えない 「誰に・何を・どう届けるか」3点セットで語る
「貴学の充実した環境に惹かれた」 どこでも使える汎用文 教員名・研究分野・ゼミへの言及に変える

特に注意したいのが「国語が得意だから」という表現だ。受験国語の得意さと、文学・言語を研究する学問は別物だとされている。国文学科では「日本語や日本文学のどこに知的な興味を持ち、何を探究したいか」という学問的な関心を中心に据えることが重要だとされている。


【文例】国文学科 志望理由書サンプル(400字程度)


私が国文学科を志望するきっかけは、高校の古典の授業で出会った『枕草子』だ。「春はあけぼの」から始まる一節を読んだとき、千年も前の人が感じた季節の美しさが、現代の自分の感覚とぴたりと重なることに鳥肌が立った。「なぜ千年の時を超えて、人の感性はこれほど通じ合えるのか」——この問いが、私を日本文学へと導いた。

調べる中で、古典文学が当時の言葉や文化と分かちがたく結びついていること、そして時代を超えて受け継がれる普遍的な感性を宿していることを知った。作品を感覚で味わうだけでなく、言葉や時代背景から学問的に読み解くことで、その普遍性の正体に迫りたいと考えるようになった。

貴学国文学科の○○教授の古典文学のゼミで、平安期の随筆に描かれた美意識を研究したい。シラバスを読み、研究の方向性が自分の問いと一致していると感じた。将来は国語教師として、古典の言葉の奥深さと、時代を超えて心を動かす力を、生徒に伝えられる存在になりたいと考えている。


まとめ:国文学科の志望理由は「作品への問い」と「学問理解」で差がつく

ポイント 要点
① 学問の核心を理解する 日本語・日本文学を学問として研究する場だと理解する
② 体験を問いに変換する 「好き」で止めず「国文学への問い」に転換する
③ 志望校を具体的に調べる 教員・研究分野・ゼミで「この大学の理由」を作る
④ キャリアを3点セットで 「誰に・何を・どう届けるか」を明示する
⑤ NGパターンを点検する 「本が好き」「国語が得意」などの汎用フレーズを排除する

国文学科の志望理由書の核心は、「読書や日本語への愛着」を「日本文学・日本語という学問への問い」に変換できるかどうかだ。この問いに答えられれば、なぜ国文学科なのかが自然と説明でき、説得力のある志望理由が生まれてくるはずだ。


本記事は志望動機.com編集部が作成したものだ。志望理由書の評価基準・カリキュラムは大学・学科によって異なる。最新情報は各大学の募集要項・入試説明会で確認することをすすめる。

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